製品・実績

1.ヘミセルロースとは?

ヘミセルロースとは、植物細胞壁に含まれる「不溶性」「非結晶性」 の多糖類の総称で、全体の約20~30%を占めます。代表的なものはキシランやキシログルカンなどであり、 そのほか、マンナン、グルコマンナン、β1-3,、1-4グルカンなど豊富な種類が含まれています。Hemicellulose(ヘミセルロース)のHemiとは「半分」を意味し、化学的な性質が半分程度セルロースと似ていることから名付けらました。

世界産出量は約500億トン/年です。用途が見つかっておらず、世界で最も活用されていない天然成分です。(セルロースの用途は、紙パルプ、機能材、化粧品等で、リグニンの用途はバイオ燃料です。

2.HEMIX™(へミックス)とは?

HEMIX™(へミックス)とは、ヘミセルロースに関するノウハウと技術から作られる、材料、製品、ソリューションの商標です。

3.材料

HEMIX™は、「100%植物由来」と「植物由来+石油由来」の2つのカテゴリーに分けられます。求める機能や特徴により、組み合わせを変えて作製します。

ペレットの種類 原料 特徴・機能

HEMIX™

100%

植物由来

ヘミセルロース、セルロース、リグニン、 PLA, PHBH, PHA, デンプン、海藻、樹木、植物、貝類等

・生分解性向上

・原料の色味、風合い

HEMIX™

植物由来+石油由来

Bio+PP, PE, ABS, PMMA, PS , PC, PC-ABS,PET,PA,PVA,

POM,PVC,TPE (エラストマー)等

・機能性、耐熱性、透明性、MFRの向上
・従来製品と遜色ない機能性

 

材料(ペレット) 例

4.製品(例)

HEMIX™ 材料を使って、食品容器、化粧品容器、自動車部品、産業資材等の各種多様な製品を実現できます。

 

 

 

5.環境効果、機能特性

環境効果①:CO2削減・・・HEMIX™は、石油由来プラスチックと比較して、CO2排出量を30~60%削減可能です。

環境効果②:海洋生分解性・・・ヘミセルロースは、セルロースを超える高い海洋生分解性を示します。また、ヘミセルロース/セルロースを含むHEMIX™は、優れた海洋生分解性を有します。

 

機能特性:流動性、強度・・・従来品(石油由来100%)とHEMIX™(石油由来90%+ヘミセルロース10%)を比較したところ、MFR(流動性)は従来品の1.5~4.2倍、引張強度は従来品とほぼ同等の値を示しました。

 

6.実績(例)

当社は、創業以来、廃棄・未活用の植物・樹木を出発原料として、さまざまな領域にチャレンジしています。「粘接着剤」「化粧品原料」「抽出受託」「合成受託」「混練受託」から、「材料+金型;成形の一貫開発」「海外案件」「自治体案件(川崎市、室戸市)」「中小企業案件」等、小さな取組みからコツコツとをモットーに、実績を重ねてまいりました。

 

  • カカオハスク(カカオ豆の外皮)を日用品にアップサイクルし、新価値創造

    株式会社明治と、チョコレートの製造過程で廃棄されるカカオハスク(カカオ豆の外皮)の樹脂化を行い、化粧品容器を含む様々な製品を製作しました。カカオの新しい価値創造を通じて、カカオに関わるすべての人と、カカオの未来をひらきます。 詳細はこちら

     

     

  • 植物細胞壁に含まれるヘミセルロースを活用した溶融紡糸繊維の作成に成功

    株式会社ヘミセルロースは、サステナビリティを軸とした新素材や新事業の開発の一環として、ヘミセルロースを活用した溶融紡糸繊維の作成に成功しました。長繊維だけでなく、短繊維の開発も行っております。 詳細はこちら

     

     

     

  • 商業施設から排出される廃棄野菜・果物のアップサイクルに成功

    小田急グループは、環境長期目標として、2030 年に CO2 排出量を 2013 年比 50%、2050 年には、実質ゼロにすることを目指しています。そこで、当社は小田急グループとの共創事業として、川崎市麻生区にある商業施設「新百合ヶ丘エルミロード」で廃棄・焼却処分予定だった野菜や果物の食品残渣を使って、バイオプラスチック製品へと生まれ変わらせ、廃棄物削減を目指す実証実験に取り組んでいます。 詳細はこちら

     

  • 国内初、ビール製造時の副産物から化粧品パッケージを開発

    株式会社ファンケルと、環境保護に関する取り組みの一環として、「キリン一番搾り生ビール」製造時の副産物であるビール仕込み粕から抽出した「ヘミセルロース」、化粧品パッケージを開発しました。 詳細はこちら

     

 

 

  • 材料にヘミセルロースを使い、プラモデル「イグザイン[環境配慮型]」を商品化

    プラモデルブランド「キャビコ」を持つ金型メーカー・㈱エムアイモルデとコラボし、ヘミセルロース含有バイオポリスチレン(PS)を使ったプラモデル「イグザイン[環境配慮型]」を開発しました。なお、商品デザインは、「機動戦士ガンダム」などで大変著名なメカニックデザイナー・大河原邦男氏がご担当です。 詳細はこちら

     

     

  • JR東日本鉄道林からバイオプラスチック製品(100%植物由来タンブラー)を開発

    株式会社ヘミセルロース(旧:事業革新パートナーズ)は、東日本大震災10年の節目に、東北復興と、CO2削減などの環境効果を目的として、東日本旅客鉄道株式会社と連携し、福島県の鉄道林を活用した100%バイオプラスチック・タンブラーを開発しました。 詳細はこちら

     

  • 株式会社ダイセルと、海洋生分解性樹脂の共同研究開発を開始

  • 株式会社ヘミセルロース(旧:事業革新パートナーズ)は、株式会社ダイセルと、当社のヘミセルロース由来バイオプラスチックと、ダイセルのセルロース由来バイオプラスチックを組み合わせた、新たな植物由来プラスチックの共同開発を開始いたしました。 詳細はこちら